任意後見とは

①任意後見とは何か

任意後見制度とは、自分の判断能力が十分にあるうちに、将来の財産管理や生活のサポートをしてもらう人(「任意後見人」といいます。)を選び、公正証書による契約を結ぶ制度です。判断能力が低下した際に、選んだ任意後見人が家庭裁判所の監督のもとで本人を支援することになります。これは、家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」とは異なり、本人が自由に後見人を指定できる点が最大の特徴です。

②任意後見を選ぶ理由

任意後見制度のメリットは主に次の5つです。

1 自分で後見人を選べる

法定後見制度では家庭裁判所が後見人を選びますが、任意後見なら信頼できる家族や専門家を自分で決めることができます。

2 将来の希望を具体的に反映できる

任意後見契約では、財産管理だけでなく、介護・医療・生活支援に関する希望も細かく決めることができます。

3 無駄なトラブルを防げる

あらかじめ後見人を決めておくことで、親族間の争いや不正な財産管理のリスクを減らすことができます。

4 家庭裁判所の監督があるため安心

任意後見監督人が選ばれ、後見人の行動をチェックするため、不正行為を防ぐことができます。

5 法定後見より柔軟な運用が可能

法定後見は手続きが厳格で、いったん開始すると簡単に変更できませんが、任意後見は契約後も契約内容を柔軟に変更することができます(ただし、公正証書の方式によることが必要。)

このように、任意後見制度は「自分の意思を反映したい」「信頼できる人に任せたい」と考える人に適した制度です。

お悩みの方はご相談ください。

行政書士 若生徹也

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